
提供:日本海テレビ
鳥取や島根の日本海側を中心に走る、週末限定の観光列車「あめつち」。
車内で楽しめるお弁当やお土産、地元工芸品を使ったインテリアで鉄道旅を演出しています。今回は、「あめつち」に乗った様子をリポートします!
観光列車「あめつち」

山陰の海沿いの地域を走るJR山陰本線で、週に一度運行する観光列車「あめつち」。東は兵庫県の城崎温泉から、西は島根県出雲市までを結んでいます。

基本的に週末中心に1日1往復の運行なので、週末のおでかけにぴったり!この記事では、JR鳥取駅からJR米子駅まで観光列車「あめつち」に実際に乗車した旅の様子をレポートします!観光列車って「ちょっとお高いのかな?」とお思いの方もご安心を。お手頃価格で気軽に乗れるのもうれしいポイントですよ!

「あめつち」の鳥取~米子間の運賃・料金は、大人2,690円(小児1,840円)。普通運賃は1,690円なのでそれほど差額がなく、さらに特急よりもお得だったのでとても驚きました。
ただの移動時間が一気に贅沢な観光時間になるので、移動手段としてぜひ選んでいただきたい観光列車です。
鳥取駅から、旅のスタート

今までは気づかなかったのですが、鳥取駅に着いてビックリ!駅のあちこちに「あめつち」の装飾がいっぱい散りばめられているのです!

駅入り口近くの記念撮影パネルや、階段に描かれたデザインなど、見つけるたびにちょっとした発見があって楽しい気分に♪さりげなく散りばめられたデザインが旅の始まりを感じさせてくれました!

細部にも注目!「あめつち」の車両デザイン

午前9時頃、ホームに青く輝く2両編成の「あめつち」が登場!

車両の先頭には、神話をモチーフにしたエンブレムが輝き、その存在感に思わず見とれてしまいます。

車両横の銀色の模様は、山陰の山並みやたたら製鉄にちなんだ刃文がデザインされており、細部にまで山陰の歴史と文化が表現されていました!

おしゃれで快適な車内空間

車内に入った瞬間、思わず驚いてしまう美しさ!内装は青色を基調にしたモダンで落ち着いた雰囲気です。

座席は広々としていて快適で、カウンター席、二人掛けの席、四人掛けのボックス席と、さまざまなシーンに合わせて利用できるつくりになっています。

以前は、カウンター席に車窓からの風景が見づらい席があったそうですが、2024年12月に改装が行われ、どのカウンター席からも大きな窓で絶景が眺めることができるようになったそうです。

特に目を引いたのは、車内に散りばめられた山陰の伝統工芸品。テーブルには島根の石州瓦のタイルが美しく配置されています。

洗面台には鳥取の岩井窯の手洗い鉢、壁面には智頭杉の板に神話をモチーフにした絵が刻まれた装飾品も!
美術館に来たかのような気分になりました!


中でも印象に残ったのは、天井を彩る因州和紙。トンネルに入ると、照明が反射してキラキラと輝く幻想的な景色を見せてくれます!

1号車と2号車では装飾が異なり、1号車は島根の産品、2号車は鳥取の産品がテーマになっているので、ぜひ両方の車両を巡って違いを楽しんでみてください。
絶景を楽しむ車窓の旅

いよいよ出発!ワクワクしながら窓の外を眺めると…今回は、ホームでのお見送りもありました!温かいおもてなしに旅のスタートから心がほっこり。(駅員さんが忙しい時はお見送りがない場合もあります)

この日は雪景色が広がっていて、一面銀世界!幻想的な景色に、思わずうっとりしてしまいました。

ちなみに駅員さんにおすすめされた絶景ポイントは、名和駅を過ぎたあたり!

晴れた日には、大山と日本海が一緒に見られる贅沢な景色が楽しめるそうです!
途中下車も楽しい!おすすめの停車駅
由良駅と御来屋(みくりや)駅は停車時間が少し長く、ホームに出て楽しむこともできます!
由良駅

コナン駅の愛称で親しまれる由良駅。由良駅がある北栄町は、名探偵コナンの作者、青山剛昌さんの出身地として知られ、駅舎や待合室、階段まで名探偵コナンの世界観が広がっています。


御来屋駅

1902年に建設された、山陰最古の駅舎として歴史を感じられる御来屋駅。ホームから見えるレトロな駅舎の雰囲気は、写真映えも抜群!

ぜひ列車から下りて、ふたつの駅を楽しんでみてくださいね。
絶品!あめつち限定グルメ
筆者が特に楽しみにしていたのが、「あめつち」限定のお弁当&スイーツ!乗車の1ケ月~4日前までに予約することでいただくことができます!
あめつち御膳(2,250円)

明治43年創業の鳥取の老舗店、「アベ鳥取堂」が手掛ける、山陰の美味しさがぎゅっと詰まったお弁当!

内容はとても豪華で、鳥取名物の「元祖かに寿司」をはじめ、柿の葉寿司、大山豚のみそ漬け、あごの梅しそ巻きフライなど、地元の味覚を少しずつ楽しめます。
星空舞スイーツセット(2,100円)

米子市のケーキ店Cafe L'ecrin(レクラン)による、星空舞米粉を使ったスイーツセット!鳥取県オリジナルの「星空舞」米粉を使ったシフォンケーキやプリンなど、優しい甘さが旅の疲れを癒してくれます。

コーヒーも提供される、車窓を眺めながらの優雅なコーヒーブレイクは最高の一言に尽きます!
車内販売も見逃せない!

旅の醍醐味といえば…やっぱりお酒!車内販売ではアルコールの販売もあります!

今回は、鳥取の日本酒4種飲み比べセット(2,140円)をチョイス!

奈羅尾さんと一緒にお昼から楽しく飲み比べ。
特別な空間でいただく地酒は、格別の美味しさでした!

その他にも山陰ならではのスイーツやジュース、あめつちが描かれたクリアファイルなどのグッズ販売もあります。
車内のお楽しみも充実!
この他にも車内には様々な楽しいコンテンツがもりだくさん!
神様おみくじ&乗車記念スタンプ

アテンダントの方が席を巡り、特別なおみくじを引かせてくださいます!

おみくじには、山陰にゆかりのある神様が書かれていて、ちょっとした歴史や文化の勉強にも。
さらに、おみくじの下部分には 乗車記念スタンプ を押せるスペースがあります。2号車のカウンターにあるスタンプを、ぜひ旅の思い出に押してみてくださいね。
「あめつち」のテーマソング
実は、「あめつち」には オリジナルテーマソング もあるんです!
作曲を手がけたのは、出雲市出身のシンガーソングライター 浜田真理子 さん。
軽やかで心地よいメロディが、あめつちの旅をさらに特別なものにしてくれますよ。
撮影パネルで記念撮影

スタンプの近くには 撮影パネル も設置されています!楽しい旅の思い出を残してみてはいかがでしょうか。
山陰にまつわる書籍コーナー(あめつち文庫)

2号車カウンター周辺には、山陰地方の魅力が詰まった雑誌や書籍が並んでいます。
車窓を流れる景色を眺めながら、旅の合間に読書を楽しむのも 観光列車ならではの贅沢 ですよね。本を片手に、山陰の歴史や文化に触れてみてはいかがでしょうか?
おわりに

「あめつち」に乗ることで、ただの移動時間が“旅”そのものになりました!1人旅でも、友達や家族と一緒でも、特別な時間を過ごせること間違いなし!

山陰の美しい景色と、心を満たす美味しい食事、そして温かなおもてなし。皆さんもぜひ、観光列車「あめつち」で特別な旅を体験してみてくださいね!
あめつち
※この記事は、2025年3月7日に日本海テレビ「na-na」で公開された記事を転載したものです。